A-CUP CLUB DIARY -SEASON THREE-



裏切りのサーキット〜ふたたび〜


ほらげっち という バイク乗りの男がいる。

昨年11月の耐久レースでは、アオヤマさんちのライダーとしてNS2クラスに出走し、その走るとふくらむツナギで話題をさらったちょっぴりエンターテイナーな一面も見せる、でも天下無敵の元祖裏切り男だ。
人を裏切ることを容赦せず、非情で冷酷、残忍・残虐、雨あられ、レースで勝つためには血も涙も、あえて言えばプライドもない。

さて、そんなほらげっちの所属する会社の「二輪部」のホームページ内に「SRX」というコーナーが立ち上がったのはこの夏のこと。

・・・SRX・・・?NS2クラスのマシンの名前じゃないか・・・。二輪部の部長さん、このクラスのレースでもでるのかな?開いてみるとそこにはヤフオクで落札したSRXの写真が一枚。

『ほらげっちの提案により、二輪部部員が出資しあってマシンを購入しました!11月の耐久レース参戦します!』

へっ?

参戦すること自体は別になんてことないのだが、その発起人がほらげっち?これはてんちょ〜に速攻でチクらないと!

てんちょ〜!大変です!ほらげっちが裏切りました!「二輪部」メンバーとしてNS2クラスへの参戦を表明しています!

「なんだとっ!?」

今年は年があけてすぐ、NS2クラスへ2台エントリーすることを表明したアオヤマさんち。当然ほらげっちもライダーとして契約更新という話になっていたはずだ。我々はほらげっちに問いつめた。いったいこれはどういうことさね?

「いやいや^^今年は会社の仲間とNS2クラスにでるからさ。悪いけど、アオヤマさんちのアルプス号なんてぶっちぎりのお尻ペンペンだよ!ふははは!」

彼は契約を破棄するばかりか、お尻ペンペンという暴言を吐いてチームを去っていったのだった。

我々は唇をかみしめ、誓い合った・・・

「いいか!この際順位なんてどうでもいい!この戦いはほらげっちより先にゴールするかどうかがすべてだ!」

以来、ほらげっちはアオヤマさんちにあらわれると

「あっ!裏切り者っ!あっちいけ!えぃえぃ!」と、ゴミを投げつけられる始末。

そんなほらげっちに、やさしいあたくしはただひとり、いつも声をかけてあげた

「いま戻ってくるなら、土下座だけでゆるしてやる」

・・・と。

しかし彼はそれらをすべてつっっぱね、二輪部と生きる道を選んだのだった。


かくして夏が過ぎ秋がきて、アルプス号のテスト走行、セッティング、チーム体制など最終調整に入ろうかというある日のこと・・・

性懲りもなく、またこの裏切り男ほらげっちが我々の前に現れた。

敵情視察?

や〜ねぇ〜、スパイよ、スパイ ひそひそ・・・


よく見ると、彼の手にはマスクメロンが・・・


(つづく)


※写真は、まさに膨張中の、ほらげっちのふくらむツナギ




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2006年10月31日(火) No.41 (レース::耐久)