「死んだおじ〜ちゃんとおば〜ちゃんが怒ってるよ」
盆も彼岸もイナカに帰らず、久しく墓参りをしていなかったあたくしは、おか〜ちゃんになんども脅されて、久々にイナカに行ってきた。 みそぎ家においては、先祖の墓参りが宗教である。幼少のみぎりよりこんなことをふきこまれているため、実際、あたくしはすっかり「墓参りをしないと気持ち悪い体質」になってしまった。
「それは単なる口実で、おか〜さんとおと〜さんはあんたの顔がみたいからそういうこと言うのよ^^」
死んだおじいちゃんの妹であるところの大叔母様が入院されたとのことで、帰省がてら見舞いに行ったのだが、大叔母様はそんなこころあたたまる一言をあたくしに言う。しかしそれはあきらかに間違いだ。
それは、帰った日の夕食のメニューをみればわかる。 この日、おか〜ちゃんは山菜やきのこが入った炊き込みご飯を作って待っていた。
うぉぉぉ!なんてすばらしい!帰ってきてよかった!
あたくしは天を仰いだ
して、おか〜ちゃん、おかずわ?
「納豆あるでしょ、納豆」
いや・・・あの〜・・・炊き込みご飯になぜ納豆・・・?
「だってあんた、納豆好きでしょ?」
じゃなにか?好きだからと言って、ごはんに巨峰をのせて食べろというのか?
ぐっ・・・ぐれてやる(T_T)!
「はいはい、どうぞ」
あたくしがこんな女になってしまったのは、すべてこんな母親のせいだ。
おか〜ちゃんのばか〜っ!
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