オフィスの一階にあったスターバックスにかわり、この度、新しいコーヒースタンドができた。
こういう重要事項はボスに報告するのがヒショの役割である。 ノリダー(♂)には早速口頭で伝え、さらに 「試しに一杯、かってきましょうか?」
ノリダー(♂)は「をっ!じゃ、買ってきてもらおうかな。ついでにのみたいもの何かかっといで」と、おぢ〜ちゃんが孫に渡すおこづかいさながら、1000円をあたくしに渡す。
ボスの役に立つふりをしながら自分自身のコーヒー代をせしめる抜かりなさ。これはヒショに必要な要素である。
一方、太陽がいっぱいのオレンジ・カウンティ・カリフォルニア生まれのカリフォルニア育ちのくせに、Tシャツとジーンズが世界で一番似合わない西洋人でもあるところの、我がボスDにはこのコーヒースタンドオープンを、メールで報告した。
なぜメールかというと、マイボスDは時間という観念が激しく逸脱しているので、夕方にならないと出社あそばされないからである。
"コーヒースタンド本日オープン。なんと喫煙席あり。"
ご存じスタバは禁煙だった。ヘビースモーカーの彼にとってこんな素敵なニュースはないはずだ。ボスの喜びはヒショの喜びでもある。
彼からは、本日の起床時刻であると思われる午後3時に返事がきた。
「情報ありがとう。ここ数ヶ月で最もグレイトなニュースだ」
・・・いや・・・なにもそこまで・・・(--;
この数ヶ月この男はどういう生活をおくってきたのだろうかと、一抹の不安がよぎるが、あまり詮索しない優しさも、ヒショには必要である。
さて、午後5時に出社したマイボスDは、オフィスに一瞬顔をだすと、すぐ、PCと携帯電話をかかえそのコーヒースタンドの喫煙室にこもってしまった。 そして午後7時。マイボスDの仕事がノリノリになる時間、あたくしはその店に顔をだした。
「おお!みそぎさん!ここはグレイトだぞ!快適なソファ、快適なエアコン、たばこをすいながら仕事ができる!今日はもうすこしここにいるつもりだ。はっはっはは〜!」
この店の閉店は午後7時です
「まことかっ?そんなに閉店が早いのか!?おーまいがーっ!」
彼は頭をかかえ、そして天を仰いだ。
ここを使いたいならもっと早く会社にきてくださいね。さっ、閉店です。とっととオフィスもどって仕事してくださいましな。じゃ、私はかえります。さよおなら。
こうしてたまにボスを地獄におとしてやるのは、ヒショのミッションではなく、あたくし個人的な趣味である。
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