A-CUP CLUB DIARY -SEASON THREE-



禁断の愛


ブライアンはあたくしの同僚の中でも、一番メールのやり取りが多く、一番クローズに仕事をしているシアトル在住のアメリカ人男性だ。仕草も話し方も、姿形もとってもフェミニンなブライアンは、たぶん、というか明らかに男性のほうが好きなんだとおもう。

そのブライアンとあたくしはとても仲良しなので、日頃よりかなりくだらない話でチャットをしたりメールをやりとりしたりしているんだが、だまってりゃ美人の同僚、ケイティが言った。

「ねぇ、たまえさんとブライアンって、ほんとはつきあってる?」

意味がさっぱりわかりません。彼がどういう嗜好の人間か知ってて言ってる?

「だからよ。ブライアンはたまえさんが好きなのよ。なぜならたまえさんは男だから。」

おいこら!

「あー、それ、なんかわかりますね」

と、となりの席の、じょうだんはよしこさんがポツリ

あたくしはこの窮状を、SEブチョーに訴えた

SEブチョー、あたくしとゲイのブライアンが付き合ってるのではないかとケイティがいうんですよ

「実は嫁がレズビアンだったというならまだしも、嫁がゲイの男に取られたっていうのは、あまりにも俺がかわいそうだろう!」

SEブチョーはあたくしと結婚したことで、ただでさえ世間でマニアとかいわれているのに、たしかにこの展開はあんまりだ。

「しかし、そういえばおまへは前の会社でも、ゲイで名高いアメリカ人ボスDにかなりかわいがられていたな」

あーん、モテるって罪だわぁ・・はうっ!げほげほっ

SEブチョーのチョップがあたくしのみぞおちを直撃した

「たわけ。俺の名誉のためにも、おまへがゲイに好かれるという醜聞は可及的速やかにに払拭しろ」

ああ、さようならブライアン!さようなら禁断の愛!

・・・って、ォィ!

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2012年04月10日(火) No.297 (おしごと)

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