あたくしのおにーちゃんは実に愛すべき小心者である。
今回の原発事故で、1号機屋舎が爆発したその直後、「髪の毛が抜けはじめた!」と言ったのは先に書いたとおり。
その後、家の窓をきっちり閉め、ガムテープで目張りまでしたのに、実は換気口があいていたことが発覚。ほぼ半狂乱である。
「うわぁぁ!オレはもう死ぬんだぁぁ!ちくしょう!枝野のヤロウ!」
なぜここで官房長官をののしるのかさっぱりわからない
ということで、そんな小心者なおにーちゃんのために、保健所が放射線測定サービスを始めたらしく、さっそく測定に行ったらしい。
あたくしは、放射線測定協会というところから放射線測定器「はかるくん」というのを借り、それをもって六ヶ所村に放射線を測りに行ったことがあるが、思えばあんなもの、小学生の社会学習みたいなもんだ。あれに比べりゃこのたびおにーちゃんの放射線をはかったのは、本物のガイガーカウンター。
ガーとかビーとか鳴るたびに「うわぁぁ!オレは死ぬのかぁぁ!」と絶叫するおにーちゃんと、保健所職員の苦笑する姿があたくしにはありありと目に浮かんだ。
結果、保健所職員は「ああ、全く問題ないですね」と、さらり。おにーちゃんは急に前向きになって家にかえってきたそうな。しかしもちろん、今度は換気口もしっかり塞いで外気をシャットアウトだ。
おにーちゃん、高速が通じたら会いに行くよ。それまでがんばれ!
おにーちゃんにエールを!すべての被災者にエールを!