年末のアオヤマさんちの忘年会の帰り道のことだ。てれてれと駅まで歩くあたくしに同行するはコマツバラ隊長。
コマツバラ隊長といえば、先日の筑波2時間耐久ロードレースに出走した、名だたる巨乳マニアだ。 筑波の2時間耐久レースでは第三走者をつとめるも、決勝2ヘアで涙の転倒。アルムおんじが精魂込めてつくりあげた、かのうつくしきアルプス01号はみごと大破し木っ端みじんこ。しかし全身あざだらけになりつつも2ヘアから自力でアルプス01号をピットまで押してもどってきたあの隊長の姿に誰もが涙を流した・・・のは一瞬で、打上げでの席では終始正座を余儀なくされ、みんなから袋だたきにあったのは当然の結果であろう。
この日隊長は、ほとんどの料理が出尽くし、宴もたけなわの頃にやってきたと思ったらいきなりマイクを強奪。あややの「桃色片想い」を歌詞も見ず、高い音域もものともせず、「胸がキュルルン♪」と熱唱。しかもおそろしく上手い。 隊長は毎朝、あややの音楽で目を覚ますに違いないと、誰もが確信した一瞬であった。
さらに遅れてやってきたくせに最後のじゃんけん大会で、なんとスズキ・チョイノリをみごとGet。本日のおいしいところをすべてかっさらっていたが、つまり、耐久で転倒したことなぞ、とっくの昔に忘却のかなたななのだ。
ということで、コマツバラ隊長の2005年を駆け足でふりかえってみたが、別に隊長のことを話したいのではない。
その忘年会の帰り道、隊長とあたくしは駅に向かう途中で、大破したホンダ・ホーネットを路上で発見した。
「事故だね。ちょっと手伝おうか」
とりあえず交通のさまたげになっているこのバイクと、ちらばる破片を路肩に寄せた。で、ライダーはどこよ?とあたりをみまわすとガードレールにしがみついて、絶叫している青年が約一名。涙と鼻水とよだれでもう顔がぐちゅぐちゅだ。
「だいじょうぶ?どこが痛いの?」
彼は股間を指さした・・・・
あたくしは男のようなやつだと言われているが、実は女なので、股間を打ったときの痛みはど〜も理解できん。 みれば、粉砕した彼のバイクのタンクの手前部分、つまり股間部分がみごとにぺこんとへこんでいる。大きさにして、こぶし大。
たいちょ〜・・・これってどうなのよ?
「・・・想像したくないね・・・ぅぇっ」
ほ〜・・・殿方はおちおちブレーキもかけられんのだな・・・。
股間以外にはとくに大きい外傷もなく、頭もはっきりしていた彼は、しかし救急車がきて搬送されてからも、ずっと痛い痛いと泣いていた。
少子化の世の中、あたくしと隊長は、彼のタネの無事を心から祈ってその場を去った次第である。 いや、心配するのは少子化問題じゃなくて、事故のことなんだが、とにかく今年も安全運転こころがけましょう・・・
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