ところであたくしの小指の怪我の経過なのだが、じつはあまり芳しくない。
一向に腫れもひかず、まっすぐにもならなけりゃ、まがりもしないので、不安になったたまえちゃんは、某病院の門をたたくことにした。 通されたのは、手の外科専門の先生。きけばなんと、あたくしの手の手術をし、しかも手術中に「あ、やっちゃった」とおっしゃったあの先生の後輩だというでわないか。
「ふ〜ん・・・そんなことがあったんだ」
そうなんです・・・もしかしてそれで指がこんなんなっちゃったのではないかと・・・しくしく
「実はさ・・・・」
ええ・・・
「ぼくも手術中に、『ま、いっか』って言っちゃったことあってさ。患者さんが真っ青な顔して『せんせ、よくない、よくないっ』って言われてねぇ」
・・・(--;ォィ
「あ!でも、ちゃんと治したよっ!ほんとだってばっ」
・・・(--;ォィ
あたくしのしらうをのやうな小指はこんな先生たちの手にゆだねるしかないのだろうか・・・。不安はよぎる。 そして不安は的中した。この先生は、奇妙な、小指のカスタムパーツをあたくしにわたしたのだ。名付けて
「大リーグ養成ギプス(小指用)」
諸氏よ。おまぬけきわまりないこのパーツに、どうか秋子ねぇさんのような目の幅の涙をながしてくれ。
ぎょえ〜!このあたくしに、こんなかっこわるいもの装着しろとっ?
と、あたくしは星一徹よろしく、ちゃぶ台をひっくりかえしたくなったが、あいにくそこは診察室。
「かっこわるい?そういうこといってると、治してやんないもんね」
ちっ・・・わかりましたよ。ったく、こんなんつけて、効果あるんだかまったく・・・・
かくしてあたくしは、以来「大リーグ養成ギプス」を装着し日常生活を送っている次第。このギプスのおかげで、消えるワープ走行をマスターすることになるのだろう。いや、やりたくないし。
ちなみにこの「大リーグ養成ギプス(小指用)」お値段2万4千円也。保険がきくけど、実にありえねぇ値段である。
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