『おまえがもしST600で優勝したら、オレは、わりばしをケツの穴つっこんで祝賀会に行ってやるよ』
4月7日(金) 筑波ロードレース選手権第一戦前夜のことだ
その日筑波の練習走行を終え、オートショップ・アオヤマさんちに戻ってきたライダー・ブンゲンさんに向かってこう言い放ったのは、最近、変態として名高いほらげっちである。
ST600クラス・・・それは市販車4気筒600ccバイクで争われる筑波選手権最大の激戦レース。入賞者の平均タイムは0秒台というハードルの高い、最速クラスだ。
有名チームや常勝ライダーが名を連ねるこのST600。昨シーズンはTC600クラスで連戦ポールポジションという伝説的記録を残したアオヤマさんちではあるが、正直なところ、ST600での上位入賞なんて、まるで、雲の上のような話である。
しかし、冒頭のほらげっちの暴言はブンゲンさんの闘志の炎に油を注ぎ、今年の筑波ロードレース選手権第一戦は、ブンゲンさんがほらげっちのお尻の穴を賭けて走るという、またしても身内の泥試合となってしまった。
ほらげっちといえば、昨年秋の2時間耐久ロードレースのNS2クラスで、アルムおんじ手がけるアルプス01号を第一走者として出走した男だ。しかし、その折に着用していた新品フルオーダーのツナギは、なぜかフルオーダーとは思えないほど巨大に作られており、また、色が膨張色の白のためさらに大きく見え、あろうことかそのツナギを着用してバイクに乗ると、風を含んでさらにおおきくふくれあがる仕様となっていた。
風の抵抗をなるべくなくすべくツナギは作られるのだが、おおきくふくれあがるというのは、これいかに?そもそもフルオーダーとはいったいなんぞや?
ほらげっちの謎のツナギは物議をかもし、全員が「あれには何か秘密が隠されているのでは?」といぶかしんだが、結果として秘密兵器どころか笑いのネタに終わったのは実に同情を禁じ得ない。
さて、そんなほらげっちが、アオヤマさんちのエース・ライダーに吐いた暴言。もう一度読んでほしい。
『おまえがもしST600で優勝したら、オレは、わりばしをケツの穴つっこんで祝賀会に行ってやるよ』
はっきりいおう。誰もそんなものは見たくない。
しかし、この彼のセリフはこの物語(なのか?)において重要なポイントを占めることになるので、ぜひ暗記するぐらい覚えてほしい。
そんなこんなで、明けて翌朝午前5時半。 アオヤマさんちには、ファンやスタッフが大勢詰めかけ、ブンゲンさんを見送りに・・・
・・・ありっ?
(つづく)
※「"本文とは関係ない"ならなんでもいいのだろう?文章はブンゲンの内容でいいから、オレの写真を載せてくれ」というリクエストにお答えし、掲載している冒頭の写真はプリンアラモードさん。例によって本文とは一切関係ありません。
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